訪問理美容師が把握しておくべき高齢者の病気・疾患・治療法 ②

【 目の病気 】

1.白内障( はくないしょう )

水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気です。 水晶体とは、目の中でカメラのレンズのようなはたらきをする組織で、外からの光を集めてピントを合わせるはたらきを持っています。 通常は透明な組織ですが、白内障では白く濁ってしまうため、集めた光がうまく眼底に届かなくなり、次のような症状が引き起こされます。

  • 視界が全体的にかすむ
  • 視力が低下する
  • 光をまぶしく感じる
  • 暗いときと明るいときで見え方が違うなど

 

2.緑内障( りょくないしょう )

緑内障は、目から入ってきた情報を脳に伝達する『 視神経 』というに障害が起こり視野( 見える範囲 )が狭くなる病気のことです。 治療が遅れると失明に至ることもあります。
症状は、少しずつ見える範囲が狭くなっていきます。 進行は非常にゆっくりで、両方の目の症状が同時に進行することは稀なので、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。

 

3. 加齢黄斑変性 ( かれいおうはんへんせい )

モノを見るときに、目の中に入ってきた光を網膜という組織で刺激として受け取り、その信号を脳に送るために視神経に伝達します。 その網膜の中心部分が黄斑( おうはん )です。 黄斑という組織が加齢とともにダメージを受けて変化し、視力の低下を引き起こす病気のことです。

黄斑が変化すると、モノがゆがんで見えたり、視野の中心が暗くなって欠けるたり、視力が低下するなどの症状が出ます。 加齢黄斑変性は、糖尿病網膜症、緑内障とともに失明を引き起こす病気として注意が必要です。

 

 

【 耳の病気 】

1. 老人性難聴

加齢に伴い、内耳蝸牛 ( ないじかぎゅう ) の感覚細胞が障害を受けたり、内耳から脳へと音を伝える神経経路や中枢神経系に障害が現れたり、内耳蝸牛の血管の障害が起こったり、音の伝達が悪くなったりします。 これらの原因がひとつまたは複数組み合わされて老人性難聴が発生すると考えられています。

聴力の低下は高音域から始まり、徐々に会話音域、低音域へと広がっていきます。 また、左右にあまり差がないのが特徴で、ただ単に音が聞こえなくなっただけでなく、音は聞こえるが何を言っているかが解らないという状態があります。 これは言葉の聞き取り能力の低下といい、老人性難聴の特徴です。