高齢者について訪問理美容師が把握しておくべきこと ②

介護保険制度

介護保険制度は従来の社会保険( 医療保険、年金保険、労災保険、雇用保険 )に次ぐ、5番目の社会保険制度として高齢社会を社会全体で支えるため2000年4月に新たに加わりました。 2015年現在、制度の財源は50%が公費、残る50%を40歳以上の国民で出し合い介護保険料まかなわれています。 また、要支援・要介護の認定を受けることで、介護サービスにかかる金額の9割が保険で支給され、高額所得者以外は基本1割負担で介護サービスを受けることができます。

 

1. 介護保険制度の被保険者

介護保険は強制加入の制度で、日本国内に住む40歳以上の人は生活保護受給者を除き原則として全員が介護保険料を支払う必要があります。 対象者は下記のように区分され、保険料や徴収方法が異なります。

第一号被保険者 65歳以上の方
第二号被保険者 40~64歳の方

 

2. 介護保険を利用できる方 ~ 介護認定

市区町村の『 介護認定 』を受けることが必要で、全国一律の基準で調査・判定されます。 基本的に対象は、第一号被保険者となりますが、第二号被保険者であっても、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する16種類の疾病に当てはまる場合は対象となります。

介護予防サービス 要支援1・2認定者が対象
介護サービス 要介護1~5認定者が対象

 

3. 生活支援サービス『 在宅高齢者訪問理美容サービス券 』

行政・各自治体での高齢者の暮らしを支えるためには、介護保険制度以外にも公的なサービスがあり、その中で理美容師さんに関係しているものが『 在宅高齢者訪問理美容サービス券 』です。 65歳以上の在宅で寝たきりの状態の方や認知症の症状のある方で、一般の理美容サービスを利用することが困難な方に、理美容業者が在宅訪問してカットなどを行える生活支援サービスです。
※ 介護サービスではありません。
※ 理美容サービス券は各自治体によって呼び名が異なりますのでご注意ください。

(A)対象者 ・居住地に住民登録があり、在宅の方で介護保険法に規定する要介護認定を受けている方。
・寝たきりや認知症により一般の理美容サービスを利用することが困難な方。
・基本的に要介護3以上が対象になると思います。
(B)費用 ・在宅訪問理美容サービスにかかる費用を一部ないし全額分、各自治体より補助があります。
・施術費用として、理美容券と自治体で指定された施術料金を現金で受け取ります。
※ 施術料金等に関しましては行政・各自治体により異なります。
(C)申請について ・各自治体の高齢福祉課高齢者事業係
・各地域包括支援センター
・各福祉相談センター など
(D)その他 理美容サービス券を利用できる理美容協力店は、配布される理美容券書類に記載されていますが、身体の状態や訪問場所などによってはお受けできない場合もあります。