訪問理美容師が把握しておくべき高齢者の病気・疾患・治療法 ③

【 呼吸器の病気 】

COPD( 慢性閉塞肺疾患 )

細い気管支に始まる炎症の総称。
具体的には肺気腫や慢性気管支炎などの事を指します。

(A)肺気腫

気管支の先にある肺胞( はいほう )が壊れる病気です。肺胞が壊れると、息を吸ったり吐いたりする機能の効率が悪化し、体に必要な酸素を取り入れることが非常に困難となって息切れや咳、痰が多くなります。さらに症状が進むと、休みながらでないと歩けなくなり衣服の着替などでも息切れがするようになってしまいます。

(B)慢性気管支炎

気管支炎は気管支が炎症を起こし、咳や痰の症状を繰り返します。このような症状が3ヶ月以上続き、さらに同じような症状が最低でも2年以上続く場合を、慢性気管支炎といいます。 肺気腫は、慢性気管支炎を伴って発症する場合が多くあります。

 

 

【 皮膚・筋肉の病気 】

1. 褥 瘡( じょくそう )

『 褥瘡 』は『 床ずれ 』とも呼ばれ、身体に加わった外力による皮膚および軟部組織への持続的圧迫が原因になります。 一定部位に圧迫が加わると、皮膚および軟部組織の血管が圧迫されて血流が途絶えます。 特に骨突起部には体圧が集中しやすく圧力および応力による循環障害が増大します。 このような阻血( そけつ )状態が一定時間以上続くことにより不可逆的な組織壊死( えし )が生じて褥瘡となります。

2. 拘 縮( こうしゅく )

関節を動かさないために、次第に関節の動く範囲が狭くなった状態のことです。

① 自分でまったく運動ができない、脳卒中などにより手足が麻痺して動かすことができない、骨折などでギプスによる固定を受けた場合など、関節を動かさない状態が長期間続いたことにより生じます。

② 関節に何らかの炎症が生じ変形性関節症、慢性関節リウマチ、感染などによる炎症から痛みを伴い関節を動かすのが苦痛となり生じることがあります。

3. ALS( 筋萎縮性側索硬化症 )

ALSとは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。しかし、筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経( 運動ニューロン )だけが障害をうけ、脳から『 手足を動かせ 』という命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり、筋肉がやせていきます。 その一方で、は体の感覚や知能、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれていることが特徴です。